糖尿病(高血糖症)について

近年、カロリーの取りすぎ、運動不足などの生活習慣により、日本の糖尿病患者さんは、740万人といわれており、徐々に増加しています。(糖尿病予備群は、1620万人といわれています)糖尿病は、かなり状態が悪い場合を除き口渇などの症状は出ません。ほとんどの方は、無症状です。症状が出現したときには、合併症がかなり進行している場合もあります。早期に糖尿病を見つけ管理をすることができれば、合併症の進行を遅らせ健康に生活することができるわけです。生活習慣病健康診断の重要性は、ここにあるのです。

 
糖尿病の診断

空腹時血糖110mg/dl未満。かつ、糖負荷試験140mg/dl未満が、正常です。

空腹時血糖126mg/dl以上、または、糖負荷試験200mg/dl以上、または、随時血糖200mg/dl以上だと糖尿病と診断されます。

糖尿病の原因

過食や運動不足などが原因でおきるやや太りぎみの体型の方が多い糖尿病をU型糖尿病といいます。このU型糖尿病が、中年期以降に多い、一般的にいう運動不足や食生活などの生活習慣によって引き起こされる糖尿病です。ウイルス感染や免疫異常でおきるような痩せ型の方が多いような糖尿病をT型糖尿病といいます。T型糖尿病は、若年者や小児でも発症します。また、T型糖尿病は、急激に発症する事もありますし、徐々に発症する事もあります。生活習慣や食生活を改善すると、一時糖尿病は改善します(この時期をhoneymoon periodといいます)が、また再び悪化することもよくあります。体の血糖を下げる唯一の物質、ホルモンであるインシュリンを分泌する膵臓内のβ細胞周囲で炎症が起きていると考えられています。

糖尿病の合併症とは

糖尿病自体は、かなり高血糖にならないと昏睡などの怖い状態にはならないのですが、長年糖尿病の管理が悪いまま放置しますと合併症が徐々に進行します。糖尿病の合併症には、糖尿病性動脈硬化、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経症などがあります。 日常診療で多くの患者さんに接していますと合併症が起こりやすい患者さん、起こりにくい患者さんがおられます。どこで異なるのかは分かりませんが多分遺伝的素因によるのではないかと予想しています。

糖尿病性動脈硬化とは
糖尿病では、脳梗塞、心筋梗塞が起こりやすくなります。特に、多発性脳梗塞やラクナ脳梗塞などの小さな脳梗塞が起こりやすいといわれています。これらの小さな脳梗塞は、症状が少なく徐々に進行します。

糖尿病性網膜症とは
日本での成人の失明の原因のNo.1は、糖尿病です。網膜症が悪化すると、眼底から出血します。一年に一回は、眼底検査を受けましょう。急に視力が落ちた時などは必ず眼底検査をお受け下さい。

糖尿病性腎症とは

糖尿病のコントロールが悪い状態が続きますと、腎機能が低下してきます。これを糖尿病性腎症といいます。日本では、透析している患者さんの約30%は、糖尿病が原因です。糖尿病性腎症の早期には、尿中微量アルブミンが増加します。できれば、一年に一回はこの検査を受け、早期に腎症を見つけましょう。早期に糖尿病性腎症を見つけ、血糖状態を改善すれば、糖尿病が原因で透析にならずにすみます。

糖尿病の治療

糖尿病の治療は、食事と運動が基本です。食事療法をせず、薬だけで管理することはできません。糖尿病の発症早期では、きちんと食事療法や運動療法をすると糖尿病がほとんど良くなることがあります。しかし、糖尿病の素因は残りますので油断はできません。 いずれにしろ早期に発見し早期に治療する以外にこの病気を防ぐ方法はないわけです。 また、糖尿病の食事は健康食といわれており、糖尿病でない方も健康のために守らなければならない食事なのです。食事のカロリーは、デスクワークの男の方で 1600から1800カロリー、デスクワークの女の方で1400から1600カロリーを目安にして下さい。もちろん運動量やその方の体重、20才の時の体重などを参考に微調整します。

  1. 甘いもの油っこいものをできる限り減らす。(缶ジュース、缶コーヒーは、止めてください。)
  2. 腹八分目、よく噛んで食べる。夜食、間食は、止めましょう。夜寝ている間、消化器も休ませてあげましょう。
  3. アルコールは原則禁止。
  4. 一日にできれば一万歩、早足で歩きましょう(膝や腰、心臓の悪い方は、除きます。うっすらと額に汗をかく程度の運動の強さが理想的だといわれています。)

治療の目標

一二ヶ月の血糖の平均を表すHgbA1cの値(基準値5.8以下)が、6.5以下になるよう食事と運動に心がけましょう。どうしてもこれ以下にならないときは、血糖降下剤の服用 を考慮します。T型糖尿病の方は、インスリン投与を最初からする場合があります。
その他、動脈硬化の他の危険因子である高コレステロール血症、高血圧、高尿酸血症、肥満、喫煙などはできる限り是正するように努めましょう。

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